歯周病の治療について

1.ブラッシング指導
一番大切な事は、日頃のホームケア(歯磨き)です。
歯周溝にプラークが溜まってしまうと自分ではなかなか落とせないので、歯につき始めたプラークをしっかり落とす事が大切になってきます。
歯磨きの際は、現状のブラッシングでどこが磨けていないのかをよく理解して頂いた上でご自分に合ったブラッシングの方法を学んでいただきます。日頃のブラッシングによるプラークコントロールこそが歯周病治療の第一歩です。

2.スケーリング(歯石除去) 
歯石は歯面に付着したプラークに唾液中のリン、カルシウムが混じって石灰化したもので、表面は粗造でプラークが更に付着しやすいような構造をしており、歯に強固に付着しています。そして強い病原性を持っています。スケーリングでは主に、超音波スケーラーやキュレットスケーラーを使用して取り除き、歯の表面をつるつるの状態にし、プラークが付着しにくい状態にします。

3.フラップオペレーション(付着療法)
歯槽骨の破壊が大きく、歯周ポケットが深いような箇所はスケーリングだけでは歯石を取り除く事が不可能です。このような場合は、歯肉を外側に開いて歯根を露出させ細かい部分まで歯石を取り除きます。
歯茎を切開して骨から剥離させ、直視下で歯石や感染しきった歯茎を取り除き、残った健康な部分を縫い合わせます。

4.歯周組織再生誘導
歯周病によって破壊された骨は通常再生することはありませんが、上記のフラップオペレーションに加えてゴアテックスやコラーゲンなどの膜を貼り付けたりエナメルマトリックスと呼ばれるたんぱく質を塗布することで、歯周組織の再生を促進させることができます。
これは骨も再生できる最新治療で、手術により元の健康な状態と同じ構造で組織を回復させる事ができます。

 

歯周病に関するコラム 

歯周病とメタボリックシンドローム

最近「メタボ」と略されることが多くなった「メタボリックシンドローム」ですが、マスコミなどではお腹周りの話ばかりが強調され、肩身の狭い思いをされているお父さん方も多いのではないでしょうか。
実は、この「メタボ」、かなり以前から同じような概念はありました。「死の四重奏」なんて恐ろしげな言葉で呼ばれていた時期もありました。
腹囲ばかりが強調される「メタボ」ですが、実際には、動脈硬化性疾患の危険因子(肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高コレステロール血症、高脂血症)を複数持っている状態のことを指します。最近の研究で、肥満を含むこれらの危険因子と歯周病が非常に密接な関係を持っていることが分かってきました。
今メタボの人も、メタボになるのが怖い人も、歯周病には要注意ですよ。
当院では歯周病について、予防から治療まで幅広く対応しております。お気軽にご相談下さい。

 

歯周病か死か? フロスorダイ?

「Floss or Die?」 歯周病予防か死か? これはアメリカで繰り広げられている歯周病予防キャンペーンのスローガンです。このスローガン自体は文面が怖すぎたせいかあまり広がらなかったようです。しかし、これが意外と当たっていることなのです。
歯周病というと歯と歯茎の病気と思われていることが多いようですが、実はいろいろな全身の病気と密接に関係しているのだ、ということを伝えるという点では、良いキャッチコピーではないか、とも思います。

 

歯周病のメカニズム

.jpg歯周病とは、簡単に言うと歯の周りで起こる炎症によって歯肉や歯を支えている歯槽骨が破壊される病気です。
では、歯周病の発症のメカニズムを簡単に説明します。
まず、歯と歯肉の境目にプラーク(細菌の塊)が付着します。
そのプラークをブラッシングで的確に除去できないと、プラークが歯石を作ってしまいます。
歯石は、文字通り固く石のようになっていて、一旦付いてしまうとブラッシングでは取り除けません。
そのため歯石の内面は、二度と磨けない状態になります。
そのため歯石がついた部分で細菌が繁殖してしまい、歯肉の腫れや、出血が起こってきます。
この初期の状態を歯肉炎と言います。
さらに進行すると遂に歯槽骨が破壊されてしまいます。この状態を歯周病といいます。
さらに歯周病の病状が進行すると歯槽骨は、どんどん破壊されて、口臭の原因になったり歯がグラグラ動揺してきます。

 

歯周炎について

.jpg歯肉炎とは、歯槽骨が破壊されていない状態ですのでこの時点で治療すれば、早期に治癒しますし、治療による痛みも少なくてすみます。
歯周病が進行した状態では、歯槽骨や歯肉がダメージを受け、破壊されています。
一度損傷して失われた骨や、歯肉をもう一度再生させるのは不可能ではありません。
しかし特殊な治療法を用いることになり、患者さんの負担はかなり大きなものになります。
ですから、歯周病になる前の段階で対処することが重要になります。
早期発見、早期治療が重要なのです。

 

歯肉炎や歯周病の状態が続くと・・

.jpgまた、歯肉炎や歯周病の状態が続くということは、歯肉の部分が炎症(腫れや赤み)を来たした状態が続いていることになります。
最近の研究で、炎症が持続した状態があると、色々な病気が進行しやすくなることが分かってきました。
この点でも、歯肉炎や歯周病は見過ごすことの出来ない立派な病気である、と考えられるようになってきています。
我々歯科医師の間でも、歯周病については「ペリオドンタル・メディスン(歯周医学)」という新しい分野として、内科医師などと共同して、積極的に治療を行う病気とみなすようになってきています。

一般的に歯周病or歯槽膿漏などの名前は、広く知られるようになってきていると思いますが、虫歯などと違って痛みなどの自覚症状がなかなか現れないので、かなり悪化してから気がつくことが多い怖い病気なのです。

 

ペリオドンタル・メディスン

.jpg最近、歯科医の間で「ペリオドンタル・メディスン」という言葉が広く用いられるようになっています。なんじゃそりゃ、と思われたでしょうか?それもそのはずです。1990年以降提唱され広まりつつ、学問領域を指す言葉だからです。直訳すると歯周医学となりますが、歯周医学と言う日本語が用いられています。この学問領域では、歯周病菌による感染症の観点や、歯周組織に惹起される慢性炎症巣という観点から、歯周病と全身疾患・全身状態との関連について、多くの科学者や歯科医学者が研究を精力的に展開しています。
当院でもペリオドンタル・メディスンの観点から、ご来院頂いた方の生涯にわたる健康に役立つ歯科治療を心がけています。

 

歯周病とギネスブック

『全世界で最も患者が多い病気は歯周炎などの歯周病である。地球上を見渡しても、この病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない』―ギネスブック2001、きこ書房。

えらく極端な意見のようにも聞こえます。しかし、現在、日本で歯周病にかかっている人は、成人の約85%以上。日本人の約30%が歯周病になりやすい遺伝子をもっているという報告もあります。あながち的外れな指摘ではないのです。

ちなみに、同じギネスブックによると、最も多い伝染病は「風邪」だそうです。

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